編集部注:
本記事は複数の書籍等の内容をまとめたものですが、2019年現在では立入禁止になっている区域が含まれる可能性があります。また個人所有の土地に許可なく入山し採掘する行為は、不法侵入罪や器物破損罪に問われる可能性があります。
宝石業界の隠れた名著(?)
社内でもファンの多い宝石ハンター、辰尾良二さんは著書の「週末は「婦唱夫随」の宝探し―宝石・鉱物採集紀行」で様々な日本での宝石採集の様子を取り上げられています。
その様子は何とも適当というか行き当たりばったりというか笑、現在では採集禁止になっている場所も多いので「参考書」にするには注意が必要なのですが、読むだけなら宝石のことがまたグッと好きになる『名著』です。
本書の中で辰尾さんは、「今のところ、日本ではダイヤモンド以外の宝石は全てと言っていいくらい見つかっています。」という何ともびっくりな内容を記しています。
確かに彼が今まで日本で見つけた宝石は、ガーネット、アクアマリン、サファイア、ヒスイと名だたる宝石が並んでいます。
残念ながら宝石として売れるほどの大きさや質の良いものは日本では取れないようですが、鉱物好きにはそれでもたまらないですよね。
今回はこの本をベースに、『日本宝石マップ|日本国内で宝石・鉱物採集ができる(できた)場所まとめ』をお送りします。
なお、採集場所への入山時は、役場 / 権利者 / 管理者の方への確認を徹底し、必ず事前に許可を得てください。
また当たり前ですが、自然を大事に、ゴミなども絶対に捨てず、地元の方のご迷惑にならないような行為を徹底ください。
ガーネット・アクアマリン(茨城県)

茨城県の山奥には花崗岩でできている地層も多く、辰尾夫妻はガーネットとアクアマリンを採掘されています。
山肌、山裾、砂防ダム周辺など「ズリ」と呼ばれる場所や、沢や川底、海岸周辺といった土地をかき分けるように探すそうです。
トパーズ・アレキサンドライト(岐阜県)

岐阜県中の丘陵地帯にはマグマの中のガスや液体が溜まったペグマタイトでできている場所があるそうで、
そんな場所で採れる宝石は、トパーズ、アクアマリン、水晶、アレキサンドライトなどなど。
特にトパーズは「ライター位の大きさ」が見つかったこともあったと書籍内でおっしゃっています。
ルビー・サファイア(奈良県)

奈良県香のある川のほとり。
『関西地学の旅・宝石探し』(東方出版)という別の書籍によると、この場所でルビー、サファイアの他に、ガーネット、エメラルド、トパーズも見つかったと書かれています。
川床での採集の模様はとても繊細。バケツ 2杯の砂を採取し、それを少しづつフルイにかけてピンセットで見つけます。
宝石の採集は、拾う、掘る、割るだけでなく、このように砂をフルイにかけて探す作業もあるのですね。
デュモルチェライトインクォーツ(栃木県)
青いインクルージョンが針状に入ったデュモルチェライトインクォーツ。
2014~16年にブラジルで初めて発見されたこの石は、その儚い美しさに世界中で一気にブレイクしました。
デュモルチェライトという名前は、最初の発見者である古生物学者「ユージン・デュモルティエ氏」にちなんで名付けられたとか。
主な産地はアメリカ、カナダ、ブラジル、マダガスカルですが、これが日本の栃木県でも採れたという資料があるそうです。
栃木県にはもともとマグマに熱せられた地下水によってできる「熱水鉱床」というタイプの土地があり、その火山活動によってできた鉱山がたくさんある地域えす。
なんとデュモルチェライトインクォーツだけでなく、金・銀・銅・鉛・亜鉛なども採れたことがあったのだとか。凄いですね!
最後に

いかがですか。意外に身近な場所で、宝石は静かに眠っているのかも。
ただし、ジュエリーとして楽しめるような大きな結晶や質の良いものは日本ではあまり見つかっていないようですので、期待はし過ぎずお宝探しを楽しむ位の気持ちでのぞんでくださいね。
そして、何回も同じことを話してしまって恐縮なのですが、
採集場所への入山時は、役場 / 権利者 / 管理者の方への確認を徹底し、必ず事前に許可を得てください。
また当たり前ですが、自然を大事に、ゴミなども絶対に捨てず、地元の方のご迷惑にならないような行為を徹底ください。
カラッツ編集部 監修






