直線的なしま模様であったり、渦巻のような螺旋を描く模様であったり、なかなか個性的な模様をもつグリーンの宝石、マラカイト。
固体によって色や模様が違うので、同じ宝石とは思えないバリエーションが楽しめるのが特徴的で、私もとても気になっている宝石の一つです。
今回はそんなマラカイトの魅力と共に、特徴や価格相場、お手入れの仕方などを交えてお話しします!
マラカイトとは?

マラカイトとは、独特な模様をもつグリーンの宝石。
色合いがアオイの葉のくすんだ色に似ており“ゼニアオイ”を意味するギリシャ語の「マラキー/malache」から由来してそう名付けられたといいます。
モース硬度は3.5から4.5で、コインで何とか傷がつけられる程度に柔らかく割れやすい宝石です。
断面に現れる渦巻のような模様が、孔雀の羽根模様に似ていることから、和名は孔雀石(くじゃくいし)といいます。
マラカイトは、 銅にできる錆び と 主成分が同じ です。
銅鉱石が空気中に溶け込んだ二酸化炭素や地下水により風化し、マラカイトが形成されるといわれています。
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古くから宝石として愛られていたと言い伝えられるマラカイトですが、宝飾品として以外にも色んな形で使用されていた過去があります。
たとえば、古代エジプトではマラカイトを粉にして顔料や染料として利用されていたといわれています。
アイシャドーとして使われていたという記録も残っており、「アイ・ストーン」という別名もあるようですが、一説によると、含まれている不純物から肌に付くとかぶれやすい性質があるため、実際のところはどうだったのか分からないという話もあるようです。
日本でも岩絵の具として「岩緑青(いわろくしょう)」と呼ばれ、日本画の貴重な画材として使われていたそうです。そしてそれを採る原石のことは「石緑(せきりょく)」と呼ばれていたとされています。
一方で、古くから銅を採るために使われてきたという歴史もあります。
これは紀元前4000年頃マラカイトを火にくべると オレンジピンクの光を放つ金属が流れ出てくることが発見されたことがきっかけで始まり、そこから鉱物から金属を取り出す 冶金(やきん)の技術の発展につながったといわれています。
また、銅の炎色反応を利用して、花火に色を加える発色剤として利用されることもあったとか。
多くの言い伝えにより当時の人々の生活に欠かせないものだったと思うと、宝石としてだけではない、マラカイトの魅力の深さを改めて感じさせられる気がします。
特徴
何といってもマラカイトの特徴はグリーンの濃淡で作られるしま模様です。
濃い色と淡い色で作られるグリーンの帯のような模様はとても特徴的であることから、比較的他の宝石と見分けがつきやすいといわれています。
原石をカットする方向によって、しま模様となったり“いくつかの円が混在する”</span >同心円状 となったりするのがマラカイトの魅力。
グリーンの色合いも個体によって異なりとても個性的です。
またマラカイトには他の鉱物と混ざりやすい性質があり、宝石品質として評価されるものの多くは、特別な化合物を含むものも多いです。
中でもアズライト/藍銅鉱(らんどうこう)、キュプライト/赤銅鉱(せきどうこう)、クリソコラ/珪孔雀石(けいくじゃくせき)などが混ざったものはまた違った美しさをもち、高く評価されています。
ちなみに、マラカイトと アズライトは成分的にとてもよく似ています。
アズライトはとても不安定な鉱物で、空気中に含まれる水分を吸収していつしかマラカイトに変化してしまうこともあるそうです。
反対にマラカイトがアズライトに変化してしまうことはないといわれています。
産地
ロシア、アメリカ、メキシコ、ナミビア、コンゴ、ザンビア、オーストラリア、イギリス、フランス、中国、日本など。
色
濃淡のあるグリーン。
お手入れで注意すべきこと
柔らかい上割れやすい宝石なので、高い場所から落としたり衝撃を与えないよう気を付けてください。
使用したら保管する前に汗や皮脂汚れなどを乾いた柔らかい布などで優しくふき取るようにすると、美しい状態が長続きしやすいでしょう。
マラカイトの価格相場
マラカイトの価格相場は、色や模様の出方で大きく異なり、ガイ(1ctで幾らかという単位)で100円~2000円位ととても幅が広いです。
ちなみに上記写真のカラッツSTOREのマラカイトは66.780ctで5980円でした。※現在は販売終了しております。
渦巻のような同心円状の模様がまさに孔雀の羽根の模様のようですね!
最後に
しま模様や渦巻き模様が印象的なグリーンの宝石、マラカイト。
宝飾品のみにとどまらず、古代から人々の生活の中で貴重な存在として多岐に渡り使われていたとは驚きですね!
現在では、宝石として愛されることが主で個性的な模様と色合いが人気でマニアにも支持されています。
この記事を読んで興味を持つ方が増えると嬉しいです。
カラッツ編集部 監修





